2017年9月6日水曜日

バンクーバーYMCA Youth Peace Network 報告11

9/2〜バンクーバーに戻り、いよいよ研修の最終週となりました。2ヶ月以上のエルフィンストンキャンプは本当に長いようで、あっという間。様々なストレス(言いたいことやもっとこうしたほうがいいんじゃないかと提案しても、中々意見が通らない英語力・コミュニケーション、パン、パン、フライ...と中々慣れない食事、子どもたちのケンカ、いじめ、ホームシック等々、クマ、ピューマの異常発生、唯一のオフ日に登山しようという無茶振り等々)がありましたが、YPNメンバーやスタッフたちは皆暖かく、本当にファミリーのような存在であり、エルフィンストンがそのような場所を作り出す雰囲気を持っていたな感じます。
キャンプ場最後の日。さようならエルフィンストン。

YPN2017のplague(記念の飾り板)を作成しました。


 今週は、フリーやYPNメンバーと教会やハイキング、観光、そしてフェアウェルパーティーを行う予定です。
今回は9/3参加した教会のことについて記述していきたいと思います。
今回参加した教会は、Unitarian Church of Vancouverというところです。ここユニタリアン教会は、プロテスタントから派生されたようですが、クリスチャンだけでなく、イスラム、仏教、神道、無宗教と誰でも参加しても良いと参加者の日本人が方から教えていただきました。話をきくまで、ユニタリアンのことを全く知らず、礼拝中の様子を見ていて、小さい子どもはチョロチョロ歩き回っていてもOK、服装も浴衣のカナダ人の子どもはいたり、??だらけでした。そんな子どもたちを牧師が礼拝中に壇上に集め、お話をするなど、ユニークなものでした。参加者は高齢者がほとんどで、日系の方も多く、また、障がい者、おそらくトランスジェンダーの方など参加をしておりました。
 礼拝が終わり、場所を移し、参加者といろいろとお話する時間がありました。その中で中国人のおじいさんと話す時間があり、私が日本人だと紹介すると、日中の歴史の話をされ、曽祖父はとても日本が嫌いであった!と言われました。その時私は、相当緊張でドキドキしましたが、その方はただ、今はこうしてこの教会のように誰とでも繋がることができ、平和な世界でなきゃいけないと続けてお話をしてくれました。ここは本当に多様性に富んだカナダらしい場所だと感じました。

 さて、教会に参加する前から最近のニュースで気になることがありました。アメリカの白人至上主義者と反対派の抗争、9/1関東大震災時の朝鮮人虐殺問題に関するデモなど多くの人種の歴史に関わるニュースです。それはカナダでの生活やエルフィンストンキャンプ場での生活がそのようなトピックを敏感にさせているのかもしれません。私が経験したストレスのように、言葉がうまく通じなければ、コミュニケーションもできない。文化が違えば、相手を否定したくなる気持ちが芽生える。各々が育ってきた環境での考え方、価値観はそれ自体が基本となり、各々にとってはそれが正義となります。そして、その対局するような他者が現れると、お互いの正義が衝突し、争いが起きるのだと思います。おそらく、過去の悲惨な歴史や現在世界で起きている悲しい事実もこのような考え方があるのではないでしょうか。お互いが"自分たちが正しい!"と主張し合えば、おそらく今後もこの根深い人種・差別問題は解決しないでしょう。
 研修当初の講師の言葉を今でも忘れません。”自分だけの窓(見方)で見てはいけない”人はどうしても自分中心で物事を見てしまいます。ただ、私たちはこれから怒涛の時代へ突入します。日本でも移民が増える可能性があり、今までのような日本人大多数の単一国家では無くなることも予想できます。中々日本にいては気づけなかったこのトピックを、このYPNプログラムを体験したユースが各国で平和へとつながる1歩を踏み出し、広がりを見せてくれたらと思います。私も帰国後改めて日本や横浜、地域のニーズを調べて、私たちにできることを探していきたいと思います。
2010年冬季オリンピック会場のウィスラー
横浜北YMCA 健康事業部
田北 孝紀