2017年8月20日日曜日

バンクーバーYMCA Youth Peace Network 報告9

今週も無事にキャンプが終わり、穏やかにオフを過ごしています。だんだん気温が下がり、秋の訪れを感じるエルフィンストンは、夜になると天の川が見えるほど寒く、日本の8月では考えられません。
 昨日は、関西から来ていた日本人の団体が2週間のキャンプを終え、帰国しました。彼らは普段の英語塾に通う生徒のようで、英語を学びながら、キャンプを楽しんでいました。まだまだ英語でのコミュニケーションが不得意な私が通訳をするなど、少しは役に立ったかな?と英語力の成長を実感するとともに、とても寂しくなります。

 今週のキャンプでは、LD2(Leadership Development 2 対象16~17才 カウンセラー養成キャンプ)出身のカウンセラーとペアを組みました。もっともキャンパーに歳が近い18歳ということもあり子どもたちの関わり方、惹きつけ方はとても上手で、子どもたちはとても楽しそうな様子でした。また、キャビンで子どもたちと振り返りながら、ホットチョコレートを飲みながら過ごした最後の夜は、彼自身がキャンプで学んできたこと、彼がキャンパーだった時にカウンセラーにしてもらったことを反映させた場面だったのではないでしょうか。子どもたちはとてもみんな穏やかで、全員が仲良くまた来年は2週間キャンプに行こう‼︎など言っていたのが、彼の成果だと思います。
 キャンプや野外活動を行ってきてよく感じることですが、もちろんミーティングで楽しい企画を考え、実施することは大事です。リーダーはそれだけでなく、子どもたちに楽しいこと、嬉しいこと、寂しいことなど常に寄り添える存在で、心をいかにくすぐるしかけがあればあるほど、子どもたちはもっとキャンプを楽しめると思います。彼が子どもより早く走り、大きな声で歌い、大胆に踊ることで、一緒にいると楽しい!と感じる子どもたちの様子がわかりました。そんな彼のような存在を育成しているキャンプ運営が、キャンパーをカウンセラーにし、100以上続くエルフィンストンキャンプの歴史を築き上げているのだと思います。

 夕べのつどいでの表彰 
 まさかの男子グループでクリーンキャビンに選ばれました。

 今週がもう一つ大事な機会がありました。それは、"共生"です。
ここ数週間、毎日のようにクマ、ピューマの目撃報告があり、先日は、ピューマがヤギを捕まえキャンプ場内で食べていたところ射殺されました。このようなことが多発し、キャンプ初日に子どもたちも含め緊急ミーティングを行いました。
 キャンプ場のダイニングホールには、誰がいつでも食べてもいいオレンジやリンゴが用意されています。正直に、大人も子どもも屋外で食べる場合、食べたらそのまま放置してしまう人がいます。毎週子どもたちが帰宅後キャンプ場のゴミ拾いをしていますが、それまでは落ちていても誰も拾いません。そのため、クマやピューマ以外の動物もキャンプ場に現れ食べ物を食べていきます。私たちが安全にキャンプを行う上で、危険が予測される場合は、動物を捕らえないといけません。しかし、そんな危険な状況を招いているのは私たち人間でした。このようなことが起きないためにも、食事は必ずダイニングホール内だけと限定となりました。 山々がそびえ、海が広がり、のんびりできるフィールドの上でご飯を食べるのはとても美味しく気持ちよかったのですが、この森は私たち人間がキャンプをする前から、動物たちが棲みつづけていた森でもあります。私たちの勝手で森を破壊し、動物たちを殺めることは理不尽かもしれませんが、うまく共に行きていくためにも私たちは知恵を絞ってキャンプや普段の生活をしないといけません。カナダは多様性にあふれていますが、自然界にはさらに多くの種があり、私たち人間も生物多様性の一つです。残りのキャンプ(英語で伝えられたら...)も日本に帰ってからも、私たちは自然の恵みをいただき、生活が成り立っていることを子どもたちに伝えていきたいです。


とてつもない大きなナメクジ...
この後やさしい子どもが素手で...森へ返してあげました。
来週でいよいよ子どもたちのキャンプが最後になります。子どもたちの今年最後の夏の思い出を良いものになるために、また頑張りたいと思います。

横浜北YMCA 田北 孝紀